筒井康隆「文学部唯野教授」
はじめて読む筒井の本
ある有名大学(早治大学だったかな、いや、ちがう)での、ほんわかした当局側の権力闘争とその内情を描き出す素敵なノンフィクション(!)。
矢作俊彦「あ・じゃ・ぱ!~」にテイストは似てる。
舞台は1985年以降の5年間位で、そのころのニューアカとかポモ全盛期を知らないぼくでもにやっとしてしまうところがあるから、その当時を生で体感した人たちにはとっても面白いのだと思う。もしくは虫酸が走るか...
大学の先生方のとほほぶりを、小林よしのりばりの劇画化された描写(いやみなほどにうまくはないけど)で表現している。もちろん当時の女子大生を揶揄したとおもわれる、すぐ教授とかにやらせる人(これはちがうなあ。できる人にあこがれを抱く、健全な(!)20歳前後の人を表現しているかも)もいたりして。彼女は最後に女神もしくは死神として顕われるんだけど。言い換えると、その教授を現実に引き戻す巫女として。巫女は聖俗兼ね合わせてるマルチな人だから。
それにしても、この当時ってエイズの認識はどうだったんだろう。結構ひどくかかれているけど。それはいしいひさいちの当時のマンガでもいっしょ。もちろんかれらがそれ(エイズの知識とか、当時の一般の人の知識)を知っていて書いているのかもしれないけど。といってるぼくも、小学生だった頃の学級新聞に、とっても怖い病気第一位として後天性免疫不全症候群を挙げていたのでした。
いいわけだけど、なんでそんな事書いたかっていうと、名前がかっこ良かったから。似非科学的フラワーチルドレンだったわけ。
ってはなしがよこみちにそれてるけど、この本では5回(だったかな→全然違った、12回も講義してた。ああ、不可だ。)に渡る教授の講義録がそれにあたる。この講義の中の教授はくるったようにまともに見える。
それが物語にどういう影響を与えているかは、いまはよくわからない。
#作品中「喜多玄司」ってでてくるけど、「多木浩二」でしょうか。たぶんそうだろう。



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